最近テレビでやたらとありんこの話題が取り上げられていますね~
話題の主役となっているのはヒアリというアリさんだそうで、なんでも刺されると火で焼かれたような痛みがする事からこのように呼ばれているそうです。海外ではファイヤーアントと言われ怖れられているみたいですね・・・なんとも物騒なありんこです。そんな最近(下手すると今後ずっと)世間を賑わすヒアリについて調べてみました~
目次
ヒアリってどんなアリ?
ヒアリとはズバリこんな蟻です。
http://www.env.go.jp/press/104185.html より引用
お尻が黒いのが特徴で、スズメバチなどと同じくお尻に何回も使用可能な毒針をお持ちです。この毒はスズメバチが持つ毒とほぼ同じ成分で痛みもスズメバチと同じくらいだそうです(厳密に言うと違う部分もありますが危険性としては同程度と考えておいた方がいいです)。僕はスズメバチに刺されたことが無いので痛みのほどは定かではないですがとりあえず絶対に刺されたくないです!
ヒアリは広義的には「刺されたら火傷をしたような痛みを引き起こすアリ」の事ですが、狭義的にはSolenopsis invicta と言う南米産のアリの事をいいます。直訳すると無敵のアリです。随分といかつい学名ですね・・・この無敵のアリさんがこそが世界各国で被害をもたらしているヒアリです。って事で、以後この記事で出てくるヒアリはこの無敵のアリさんの事を指しているものと考えてください。
ヒアリの真の恐ろしさは繁殖力
ヒアリについて語られる時ヒアリの持つ毒ばかりがフューチャーされますが、ほんとに怖いのはその圧倒的な繁殖力だと思います。日本によくいる黒くてでかいありんこと比較していかにヒアリの繁殖力がえげつないかを解説していきます。
クロオオアリとヒアリの繁殖力の違い
・クロオオアリの繁殖力
日本にいる最もポピュラーなクロオオアリはコロニーと呼ばれる組織を形成して女王アリ1匹+たくさんの働きアリで繁殖していきます。働きアリが女王にエサを運び、女王が卵産むって形で個体数を増やしていきます。クロオオアリの女王が1日に産むタマゴの数は数個から20個くらいです。女王の寿命は10~20年です。単純計算で毎日20個の卵を産むと1年で7300個。寿命まで産み続けたとしたらその20倍なので14万6000個。単純に考えると女王にこれ位の繁殖力があれば町中でも見かける位は繁殖できると言ってもいいでしょう。
・ヒアリの繁殖力
ヒアリもオオクロアリと同じように女王アリ+たくさんの働きアリでコロニーを形成します。ここまではクロオオアリと同じですが、普通の蟻は1つのコロニーに対して1匹の女王アリですがヒアリは1つのコロニーに女王が複数います。そして女王の1日に産むタマゴの数もクロオオアリに比べて圧倒的に多いです。1日に2000個程卵を産みます。ヒアリの女王の寿命は2~6年です。単純計算で毎日2000個の卵を産み続けたら1年で73万個。寿命を真ん中の4年だとすると生涯で産む卵は292万個。これだけでも勘弁してくれって感じですが、巣の中には女王が何匹もいます。オオクロアリとは比較にならない位の繁殖力ですね・・・一度巣を作られてしまったら最後。完全に駆逐する事は不可能だと思います。
ヒアリの天敵 日本のアリは・・・?
えげつない繁殖力を誇るヒアリですが天敵が居ないわけではありません。
ヒアリの天敵は
アリクイ
ゾンビバエ
です!
こいつらに頑張ってもらおう!って思いたのですが、よーく考えてみてください。野生のアリクイって日本で見たことありますか?僕は動物園でしか見たことないです・・・
ゾンビバエに至っては存在すら知りませんでした・・・
ゾンビバエはヒアリに寄生するヒアリの天敵ですが日本にはいません。ヒアリに寄生して最終的にはヒアリの頭をぽろっと落とすのを生業としているとても悪趣味なハエですがお住まいは北アメリカだそうです。
一部では日本のアリがヒアリの天敵になるって言われてたりしますが実際はそうならないようです。戦闘力に大きな差があるため、日本のアリでは相手にならないそうです。サッカーの日本代表対ブラジル代表位の差は軽くありそうです。
スポンサーリンク
ヒアリに刺されたら?
繁殖力もえげつなく日本には目立った天敵も見当たらないヒアリ。日本に入ってきたら僕たちは刺された時に対処するくらいしか出来る事は無いでしょう。って事で刺された時の対処法を紹介しますね~
ヒアリに刺された時の症状
ヒアリの症状は軽度・中度・重度の3段階に分けられます。
・軽度・・・熱いと感じる激しい痛み・痒み。10時間ほどで患部に白い膿が出る。
・中度・・・痒みをともなう蕁麻疹が全身に出る
・重度・・・呼吸困難・吐血・意識障害・血圧低下
・最悪・・・アナフィラキシーショックで死に至る事も・・・
ヒアリの毒にやられて人が亡くなるケースはスズメバチの毒と同じ原理によって引き起こされるアナフィラキシーショックです。
全身くまなく刺されたらどうなるかは分かりませんが、ヒアリに複数個所刺されてその毒によって死に至る事は無いです。
刺される→毒が体内に入る→体内の免疫がアレルギー反応を起こす(アナフィラキシーショック)→死に至る。アナフィラキシーショックさえ起こさななければ死ぬことはほぼないです。
死亡率については色々な情報が錯そうしていて定かではないですが、ヒアリに刺されてアナフィラキシーショックを起こす比率は0.6~6%です。
アナフィラキシーショックを起こして死亡する確率は0.65~2%。参照元
最大値を使って計算すると、100人ヒアリに刺された人がいて、アナフィラキシーショックを起こす人が6人。その中で死に至る症状が出る人は2%で0・3人。死亡率は最大でも0・3パーセント。これを高いか低いかは個人の判断ですが僕は最大値でこれならそこまで脅威ではないかなって思います。
ヒアリに刺された時の対処法
刺されたら・・・・・・
・20分から30分位安静にして様子を見る
・患部を冷やす
・症状が悪化したら病院へ行く
これ位しかする事が無いです。
色々調べたのですがほとんどこのような事が書いてありました。
刺されたら皮膚の炎症などは避けられないので、重い症状が無くても病院には行った方がいいと思います。
ヒアリによる被害
毒を持っている事から、そこばかりが目立っていますがヒアリの脅威は毒だけではありません。
・農作物への被害
ヒアリは雑食なので基本なんでも食べます。畑にある農作物など何でもかんでも食べちゃうので経済的損失も莫大です。
・電気系統への侵入
また暖かいところを好む傾向があるため暖かい電気設備などによってきます。更にヒアリの働きアリは磁気を察知する力がある為より電気設備にやってきます。その結果電気設備をショートさせて故障させたり酷いと火災にまで繋がります。なんかガメラ2のレギオンみたいですね。
・地盤沈下
他にもかなり大きい巣を作るので地盤沈下を引き起こしたりもします。巣が道路の下にあると最悪で道路の下が空洞になって道路陥没を引き起こした事も海外ではあるそうです。実例があるかは分かりませんが場合によってはビルの倒壊を引き起こしてもおかしくないですよね・・・
個人的には毒よりもこっちの方がはるかにやばいと思います。もし人のいる所で火災が起きたら・・・交通量の多い時間帯に道路陥没が起こったら・・・
考えただけでゾッとします。
まとめ
ヒアリの毒ばかりに注目した報道が多く、実際の脅威よりもはるかに誇張されているように感じます。こんなんじゃ刺されたらそこそこの確率で死に至るみたいな印象を持ってしまってもおかしくないです。危険性を伝える事は大切だと思いますが、必要以上に不安を煽るのはどうなんだろうって思います。
確かに危険な毒を持ってはいますが、毒以外の部分の方が僕は脅威だと思います。
おまけ ヒアリって聞いて思い浮かんだ作品
月並みですがハンターハンターのキメラアント編とガメラ2です。
ハンターハンターもガメラも未知の生物の侵攻がメインのお話です。
ガメラについては別に記事を書いているので良かったら読んでください。
どちらもかなり面白いので暇なら読んだり見たりしてみてはいかがでしょうか?