僕の子供の頃の憧れの昆虫はカブトムシ、クワガタ、オニヤンマでした。特にオニヤンマは僕の中では別格の地位を築いていました。そしてそれは今でも変わりません(笑)大きさ。飛んでいる姿の美しさ。威風堂々とした振る舞い。今でもその姿を外で見かけると思わず目で追ってしまいます。そんなオニヤンマについて書いていきたいと思います。
目次
オニヤンマの住む場所
オニヤンマは日本全国に分布する日本最大のトンボです。きれいな水の流れが穏やかな小川などを眺めていると水面すれすれを飛んでいるオニヤンマを何匹も見る事が出来たりします。ギンヤンマやルリボシヤンマ等他の大型のトンボはため池等を好むのですが、オニヤンマはそれらのトンボとは一線を画し狭くて水のきれいな小川を好みます。
あとで詳しく書きますが、その為コツさえつかめば簡単に虫取り網で捕まえる事ができます(笑)ギンヤンマとかは網が届かない所を飛び回っていることが多く中々捕まえにくかったりします。
15年くらい前に世田谷の小川でオニヤンマを捕まえたこともあるので環境さえ整っていれば割とどこでも見ることが出来るトンボです。今ではそんな環境が中々都会にはないんですけどね・・・
オニヤンマの大きさ
オニヤンマの大きさは頭から尻尾の先端まで含めると大体9センチ~11センチ位です。オスよりもメスの方が大きくなるみたいです。暖かい地方の個体は大きくなる傾向があり、寒い所の個体は小さくなる傾向があるみたいです。オニヤンマの中でもでかいオニヤンマを捕まえたかったら暑いところに行けばいいって事ですね。僕が捕まえた最大の個体は12センチ位でした。
オニヤンマの飛行性能
オニヤンマの飛行性能は凄く、最高速度は時速70キロにもなります。これだけだとよくバトル漫画に一人は出てくる速さ推しのかませ犬的でどこにでもいるような感じですが、オニヤンマはそんな噛ませとは違います(笑)
速さに加えホバリング(空中で停止)、高速旋回、急加速、急停止等ありとあらゆることを空中でやってのけます。トンボは4枚ある羽のうち前の羽と後ろの羽を別々に動かすことで空中でのありとあらゆる動きを可能にしているのです。
オニヤンマ(トンボ)の空中での動きは現代の科学技術をもってしても完全に再現することは難しいそうです。
オニヤンマの噛む力
オニヤンマの武器は圧倒的な飛行能力だけではありません。顎の力もとても強く人間の皮膚を食いちぎる事も出来ます。捕まえたオニヤンマに小指を噛ませてみたことがあるのですが、出血はしませんでしたがきっちり歯形が小指に残りました。痛みの程度は不意打ちで噛まれたら「いてっ」って声が出てしまうレベルでそこそこ痛いです。それも何回もガブガブ噛もうとするので結構たちが悪いです(笑)今思えば僕の指を食べようとしていたのかもしれないですね。
オニヤンマの顎はトンボの頭位なら簡単に割る事も出来ます。捕まえたオニヤンマの前に赤とんぼを近づけたら、赤とんぼの頭に噛みついてそのまま食べ始めた時は衝撃でした・・・バリバリと音を立てながら食べてました。
オニヤンマVSオオスズメバチ
オニヤンマはその高い飛行能力と顎の力で飛行中のオオスズメバチを捉えて食べてしまいます。
オオスズメバチとオニヤンマでは飛行能力に差がありすぎて空中でオニヤンマにオオスズメバチが襲われたらあっという間に捉えられてなす術もなく食べられてしまいます。
ただオオスズメバチも毎回やられっぱなしと言うのではなく返り討ちにする事もあり両者は食ったり食われたりのライバル関係にあると言えそうです。
オオスズメバチのスペックは昆虫界では最強クラスだと思いますが、オニヤンマのような特化型にはやられてしまう事もあります。オニヤンマはただ速いだけでなく、相手を倒せる顎と言う武器もあるのでオオスズメバチの強敵(とも)であり続けられるのです。
オニヤンマの弱点
オオスズメバチを倒すことも可能なオニヤンマの攻撃力は昆虫界でも随一ですが、弱点は防御力です。攻撃力に特化したため全く防御力がありません・・・
羽も水にぬれると乾くまで使えませんし、頭も割と簡単にもげます。それに尻尾も細いのですぐにちぎれます。木とかに止まっている時にオオスズメバチに襲われたら間違いなく負けます。
オニヤンマの攻撃力は飛んでいて初めて発揮されるので飛んでいなければただのウドの大木です(笑)
オニヤンマの捕まえ方
オニヤンマを虫取り網で捕まえる事は簡単です。場所選びさえしっかりすればかなりの高確率で一発で捕まえる事が出来ます。
基本は待ち伏せ
オニヤンマのオスは縄張りを持っていてそこを何回も行ったり来たりしてパトロールする習性があります。大体は小川の水面から20センチ位のところをパトロールしています。たまに道路の上とかを行ったり来たりしているのもいます。
捕まえる時はこの習性を利用します。
同じところを何回も何回も通るのでそこで網を持って待ち伏せします。川幅が狭ければ狭いほど捕まえることが出来る確率が上がります。広いと網の届きにくいところを飛ばれたりして捕まえにくい時があります。
無警戒だと簡単に捕まえらえる
虫取り少年が多いところだとオニヤンマも警戒して早く飛んだりするのでちょっと難易度が上がります。逆に誰も居ないようなところだと全くの無警戒なのでのんびり飛んでいます。網を差し出したら網の前でホバリングしてたちょっと間抜けなのもいました(笑)2秒くらいホバリングしてから網の横をすり抜けようとしてましたね。あまりにも捕まえがいが無かったので見逃してやりました。
いきなり網を振り回すのはNG
オニヤンマの縄張りを見つけたからといっていきなり網を振り回すのはやめた方がいいです。何回か様子を見て川のどこら辺を飛んでいるか観察しましょう。ほぼ同じルートを通るので初めてオニヤンマを捕まえようとする人は網のふるタイミングをイメージするといいです。
ここまで出来ればあとは網を振るだけです。タイミング間違いと空振りさえしなければオニヤンマは捕まえられます。
オニヤンマはそのデカさと飛行能力からあまり天敵もいないためか、余裕かましてゆっくり飛んでいるのでタイミングは取りやすいですし、網の幅も的もでかいので意外と空振りはしませんよー
不意打ち?正々堂々?
網を振るときは、オニヤンマの正面より後ろ側から網を振った方が見えないし何となくよさそうって思いますが、僕の経験上どっちでもいいと思います。むしろ、後ろからだとせっかく網の中には捉えても網を返すタイミングが遅いと加速されて取りのがしちゃうこともありそうです。正々堂々とオニヤンマの正面から網を振りましょう(笑)
スポンサーリンク
オニヤンマとの思い出
最後に僕とオニヤンマの思い出について書きたいと思います。興味ない方はスルーしてもいいですよ?
僕がオニヤンマを最初に出会ったのは小1の夏でした。おじさんの家のある長野の山奥で父に連れられて虫取りをしていた時突然奴は僕の前に姿を現しました。って言っても父はそこにオニヤンマが居る事を知っていたみたいですが・・・(笑)父親の指導?(何となく父親の方がたのしんでいたような記憶が・・・)の元、網を振れども振れども、オニヤンマに逃げられっぱなしでした。その横で父親はいとも簡単にオニヤンマを捕まえていました(笑)結局その夏、オニヤンマを捕まえる事は出来ませんでした・・・
今では諦める事を極めた僕にも幼少期においては、諦めない心が残っていたのか、捕まえられない悔しさを胸に秘め続け翌年オニヤンマとのリベンジマッチに挑みました。
場所は昨年と同じ小川。
1年間秘め続けたこの悔しさを晴らす場所はここしかない!
父親の「もう帰るぞ」と言う視線を無視し続け、何回も何回も失敗を繰り返し遂にその時はやってきました・・・
休むことなく鳴り響く蝉の合唱、どこからともなく聞こえてくる鳥のざわめき・・・それらをかき消す僕の心からの叫び!
「入った!!!!」
子供なりにタイミングを図って網を振ったその視線の先には羽をばたつかせ何とか網から逃れようとする王者の姿が・・・
この時の感動は今でも覚えています。
その後は捕まえたオニヤンマを虫かごに入れてその姿をずっと眺めていました。
初めて捕まえた後もオニヤンマへの情熱は冷めるどころか、捕まえたことでより一層強くなりました。
そこからは毎年おじさんの家に行くたびにオニヤンマ取りに行っていました。
年々オニヤンマを取るスキルも上がり、多い日だと1日10匹位捕まえていましたね。
おわり。